研究課題
哺乳類体内時計は、脳の中枢時計(SCN)のみならず、全身のあらゆる細胞(末梢時計)で機能しており、外部環境への同期/脱同期を制御する系から、自律的振動系を経て、遺伝子発現系(全遺伝子の5-20%を占める時計制御遺伝子(CCGs)が日周変動する)を含む出力系に至る概日システムは、様々なタイミングで発現する全身の生理機能を時空間的に精密に統合制御する為に必須である。本研究の目的は、概日システムのプロテオーム的基盤となり、時計の同期の初期応答トリガーともなる蛋白質機能の時空間特異的な制御メカニズムを解明することである。具体的には、研究代表者が発見したプロテインキナーゼPFKの日周活性変動を介した蛋白質リン酸化プロセスにとくに着目し解析を進めた。昨年度、PFKがCK2であること、CK2によるリン酸化によって制御される体内時計制御転写因子BMAL1の機能変化が、哺乳類概日システムに必須であることを世界で初めて明らかにした。今年度は、CK2がBMAL1を日周性でリン酸化し、その核移行を時刻特異的に制御することに加え、その下流のBMAL1の修飾、CLOCKとの結合を関門的に制御し、概日システムの制御に必須の役割を果たしていることを明らかにしている。さらに、CK2活性の日周期変動機構と体内時計コアフィードバック系の密接な関係を解明しつつある。
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Biol Pharm Bull 32
ページ: 1183-1187
http://gyoseki.toho-u.ac.jp/thuhp/KgApp?kyoinId=ymidgdokggy