研究課題
私たちはミクログリア活性化メカニズムの解明を進めている。先の研究で、副腎皮質ステロイドがミクログリア活性化を抑制することを報告した。昨年度は、ストレスによるアストログリアへの影響を検討した。ストレス負荷によって、視床下部、海馬、視床などの部位でアストログリアは殆ど形状の変化を示さなかった。更に、インターロイキン1b発現細胞を検討したところ、コントロール状態では少数の細胞から発現されていた。ストレス負荷後、視床下部、海馬、視床で、インターロイキン1b陽性細胞数が増加していた。コンフォーカル顕微鏡による解析で、そのインターロイキン1bはアストログリアから発現されていた。次に、脳内の炎症性マーカーとして、インターロイキン1b、インターロイキン6、iNOSなどを定量した。予想に反して、ストレス負荷によっても、それらの発現レベルは変動しなかった。現在、ストレスによる炎症性サイトカインを含むさまざまなマーカーを検討している。以上より、ミクログリアとアストログリアは、脳内の主要グリア細胞であるという共通項を有しているが、ストレス応答性という観点から、全く異なることが判明した。又、ストレスと脳内炎症という問題について、正常状態で負荷する限り、現在までのところ、炎症レベルは変動していないという結果を得て、その幾つかを報告している。今後は、副腎ステロイド、脳内神経伝達物質がミクログリア活性化にどのような影響を与えているかを更に検討していく。
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