研究課題
基盤研究(C)
本研究ではストレスによるミクログリア活性化メカニズムの解明を検討した。ミクログリアセルライン(MG6)およびプライマリーミクログリア培養細胞を用いて、RT-PCR法、ウェスタンブロット法によって検討する。セルライン、ウライマリーのいずれでも、アドレナリン受容体β1、β2の発現があった。しかし、β3受容体の発現は無かった。次に、β1、β2アドレナリン受容体アゴニスト(イソプロテレノール)添加によって、その応答を検討した。アゴニスト単独、LPS添加と組み合わせて投与したところ、炎症性サイトカイン(インターロイキン6)の発現に影響は見られなかった。次に、培養ミクログリア細胞に、副腎ステロイド(デキサメサゾン)添加実験を行った。結果、LPS投与による炎症性サイトカイン発現は、著しく抑制された。更に、ノルアドレナリン受容体欠損マウス(ダブルノックアウト)および野生型マウスを用いて、急性拘束ストレスを負荷したところ、野生型マウスでは著明なミクログリア活性化を示した。一方、ダブルノックアウトマウスでは、ストレスによるミクログリア活性化は有意に抑制された。以上の結果より、ストレス時に起こるミクログリア活性化は、交感神経系由来のノルアドレナリンが、脳内ミクログリアβ1、β2受容体を介して、活性化を引き起こしていることが示唆された。又、副腎皮質ホルモンは、ストレス時のミクログリア活性化を抑制するものと考えられた。
すべて 2012 2011 2010 2009 2008
すべて 雑誌論文 (12件) 学会発表 (3件)
Neurosci Lett
巻: 515(1) ページ: 97-101
Doi:10.1016/j.neulet.2012.03.037
Open Journal of Neuroscience
巻: 2-1
http://www.rossscience.org/ojns/articles/2075-9088-2-1.pdf
J. Neurochem
巻: 117 ページ: 712-723
doi:10.1111/j.1471-4159.2011.07240.x
Neuroscience
巻: 192 ページ: 429-437
Doi:10.1016/j.neuroscience.2011.06.051
J. Neuroimmunol
巻: 233 ページ: 29-36
Doi:10.1016/j.jneuroim.2010.11.002
Nat Commun
巻: 1 ページ: 110
Doi:10.1038/ncomms1101
巻: 208(1-2) ページ: 104-114
Doi:10.1016/j.jneuroim.2009.01.016
Am. J. Pathol
巻: 174(5) ページ: 1891-909
doi:10.2353/ajpath.2009.080680
Autophagy
巻: 5(5) ページ: 723-724
Doi:10.4161/auto.5.5.8478
Medical Hypotheses
巻: 73 ページ: 1031-1034
Doi:10.1016/j.mehy.2009.02.047
巻: 207(1-2) ページ: 24-31
Doi:10.1016/j.jneuroim.2008.11.007
J. Immunol
巻: 180(12) ページ: 7827-39
http://www.jimmunol.org/content/180/12/7827