研究課題/領域番号 |
20500370
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高岸 芳子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (50024659)
|
研究分担者 |
織田 銑一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60023660)
林 良敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (80420363)
|
キーワード | 突然変異マウス / 髄神経線維 / ランビエ絞輪 / パラノード / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡学 |
研究概要 |
有髄神経線維のランビエ絞輪パラノード部に局在するCasprタンパクに遺伝子変異を持つshambling (shm)マウスで、神経系の異常を解析する研究を行っている。本年は、後肢の不全麻痺が進行しほとんど不動になった老齢shmマウスで、中枢ならびに末梢神経系にどのような異常がみられるのかを注目して以下の研究を行った。 1: 脳、脊髄、坐骨神経の形態学的研究:生後13ヶ月から20ヶ月のshmマウスの大脳運動野と基底核、小脳、脊髄、坐骨神経のパラフィン、樹脂包埋標本を作成して光学顕微鏡レベルの観察を行った。それぞれの組織構築に異常は観察されなかった。しかしながら、脊髄白質には変性細胞が、坐骨神経に変性した神経線維が存在した。 2: 有髄神経線維の異常を、その構成タンパクMyelin Basic Protein (MBP)を指標とした形態観察とタンパク発現の解析で行った:抗MBP抗体を使用した免疫組織染色では、小脳で陽性神経線維の減少が観察された。それ以外の部位では、正常マウスに比べると染色性の低下傾向が観察されたが、有髄神経の減少、消失は明らかではなかった。Western blot法によりタンパク発現を解析したところ、小脳での有意な低下がみられた。 本研究の成果は、第17回国際神経病理学会(別記)で発表し、優秀学会賞(ポスター賞)を受賞した。
|