今年度実施した研究によって以下の結果を得た。 1.平成20年4月から平成21年1月までに選抜交配によって121匹を生産した。 2.6月齢における血糖値は、選抜交配を開始する以前の119±0.9mg/dl(n=71)から平成20年度に生産したウサギの131±2.3mg/dl(n=68)こ上昇した。 3.内臓脂肪が蓄積したウサギでは、空腹時血清インスリン値が高値を示し、経口糖負荷試験においてインスリン抵抗性が示唆された。 4.11-15月齢のウサギを用いた相関解析において、内臓脂肪の蓄積量は空腹時インスリン値、インスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)、VLDL中性脂肪、大動脈動脈硬化病変面積、血清CRPと正の有意な相関を示した。 5.内臓脂肪組織の免疫組織染色において、単球/マクロファージの侵入が認めちれ、脂肪細胞におけるMCP-1の発現、CRPが認められた。 これらの結果より、メタボリックシンドロームのモデルウサギを開発できることが確認でき、来年度以降モデルウサギの確立に向けて研究を推進する。なお、内臓脂肪の蓄積量と動脈硬化との相関が認められたことは、本モデルウサギがヒトのモデルとして有用であることを強く示唆している。 これらの研究の一部は2008年7月に開催された第3回ウサギフォーラムにて発表した。
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