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2009 年度 実績報告書

胎生期致死を示す糖鎖関連遺伝子の機能解析系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20500376
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

三好 一郎  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10183972)

キーワード糖鎖 / 遺伝子 / 発生分化 / 実験動物学
研究概要

グルコシルセラミド合成酵素(Ugcg)は数百にも及ぶスフィンゴ糖脂質(GSLs)分子の合成過程において最初にグルコースをセラミドに転移する最も重要な酵素の一つで,その完全欠損は胎生期致死に至る。しかし,ヘテロ接合体が無症状に見えることからUgcg遺伝子機能の解析が進んでいない。この問題を克服するために,内在性Ugcg遺伝子をダブルノックアウト(DKO)したES細胞に相同遺伝子を導入し,その発現の由来を導入遺伝子に限定することにより,完全欠損から過剰発現までUgcg発現の定量的差異に基づいて遺伝子の機能を解析する実験系の樹立を試みた。初年度,Ugcg遺伝子の両アリルをノックアウトしたDKO-ES細胞を樹立した。しかしながら,その細胞にCre/loxP組換え系及びテトラサイクリン誘導系を利用してUgcg cDNAを発現し,更に蛍光タンパクによってその発現を可視化する数種の遺伝子を導入したが安定なクローンが得られなかった。用いたUgcg cDNAに変異が検出されたため,遺伝子を再度構築して試みたものの,現時点では安定に導入遺伝子を発現するクローンが得られず,原因を解明する必要がある。
一方,かねてより準備していた,セラミドを小胞体からゴルジ体へ特異的に輸送する分子で,Ugcgと同様にGSLsの合成過程で重要な機能を担っているセラミド細胞内選択輸送タンパク質(Ceramide Transfer Protein: Cert)コンディショナルノックアウトマウス(CKOM)の樹立に成功した。Certの欠損も胎生期致死が予想されるが,Certi活性を欠損した培養細胞の餌析では顕著な異常が観察されないことから個体レベルでの検証が求められていた。CertCKOMは,Cre/loxP組換え系により任意の発生段階や組織(細胞)でCert遺伝子エクソン5を欠損する。胚の死亡時期など詳細な解析を要するが,当該Certノックアウトマウスは世界初の系統として全く新しい胎生期致死を示す糖鎖関連遺伝子の機能解析系の候補と考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Subventricular zone-derived neural progenitor cells migrate along a blood vessel scaffold toward the post-stroke striatum2010

    • 著者名/発表者名
      Kojima T, ら
    • 雑誌名

      Stem Cells 28

      ページ: 545-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rap signaling is crucial for the competence of IL-7 response and the development of B-lineage cells2009

    • 著者名/発表者名
      Katayama Y, ら
    • 雑誌名

      Blood 114

      ページ: 1768-75

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Zebrafish with antisense-knockdown of cardiac troponin C as a model of hereditary dilated cardiomyopathy2009

    • 著者名/発表者名
      Ohte N, ら
    • 雑誌名

      Circ J 73

      ページ: 1595-6

    • 査読あり
  • [学会発表] セラミド細胞内選別輸送タンパク質(Ceramide transfer protein ; Cert)欠損マウスの作製2009

    • 著者名/発表者名
      久野雅広, ら
    • 学会等名
      東海実験動物研究会
    • 発表場所
      名古屋市立大学(名古屋市)
    • 年月日
      2009-09-12
  • [図書] 発生工学. 現代実験動物学. 168-181(笠井憲雪, 吉川泰弘, 安居院高志(編))2009

    • 著者名/発表者名
      三好一郎
    • 総ページ数
      219
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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