研究概要 |
1.Vitrification法によるマウス(ddY)卵巣の生存性の高い凍結方法について検討した。凍結に使用した保護液はEFS(ethylene glycol, Ficoll, sucrose、PB1)液で、ethylene glycol10%,20%,40%液中で各各25℃/8min,25℃/8min, 4℃/4minの順で耐凍剤処理を行い、組織片をcryotubeに入れてLN2に保存した。融解はESF20%液3min-10%液min-PB15minの順での組み合わせで組織生存率が優れていた。また、卵胞採取率も他の処理に比べて高かった。 2.成熟マウス(ddY)卵巣から採取した前胞状卵胞を取り出しこれを10%FBS添加α-MEMにリコンビナントFSH recFSH(100、200mIU/ml)を添加し培養液中で37℃、CO2-airの条件下で5-8日間の培養を行った。形態的に成熟した卵胞をHCG2.5IU/mlを添加した液中で培養して排卵率を調べた。その結果排卵した卵胞はrecFSH添加両群に有意な差は認められなかった。 3.マウス(ddY)8IUのPMSG投与48時間後に取り出した卵巣から採取し、成長卵胞から卵丘細胞-卵子複合体(COCs)を取り出した。このCOCsを10%FBS添加α-MEMにrecFSH(50mIU,100mIU,200mIU/ml)を添加し培養液中で37℃、C02-airの条件下で16-18時間の培養を行った。その結果、無添加、および50mIU群に比較して100および200mIU/ml添加で成熟率が高率であった。 4.IVMにより得られた成熟卵子の受精能・発生能についてIVFを用いて検討した。その結果、排卵成熟卵子の受精率に比較してIVM成熟卵子の受精率は低下していた。特に卵子透明帯の硬化等の障害と思われる現象も観察された。
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