1.Recombinant FSH(recFSH100および200mIU/ml)を添加したα-MEM中で卵胞を培養(5-8日間)することによって成熟した卵胞をHCG添加培養液中で排卵させると成熟卵子が得られる方法を昨年樹立した。その方法用いてddY成熟雌にPMSG8IU投与後48時間目に卵巣を摘出した卵胞を培養し得られた成熟卵子を体外受精(IVF)した。その結果、recHSH100あるいは200mIU/ml)添加群で各々42.5%および47.0%が正常に受精した。また、受精卵子を培養し2~4細胞期胚を偽妊娠雌の卵管内へ移植した結果、5例中2例に妊娠がし、分娩した。 2.凍結保存したddYマウス卵巣を融解して、採取した卵胞を上述の方法で発育成熟させた卵胞を排卵させて得られた成熟卵子をIVFした結果、23%および26.2%の受精卵子を得ることができた。受精卵子を儀妊娠雌卵管に移植した結果、6例中1例に妊娠が確認された。 3.同様にPMSG投与後48時間目に卵胞から採取した卵丘-卵子複合体(COC)を同様の培養液で成熟培養させた結果、45.0%の成熟卵子が得られた。IVFを行った結果、57.2%が受精した。受精卵子を1と同様に仮親に移植した結果、4例中1例に妊娠が成立した。 4.卵丘細胞が剥離した卵胞卵子は成熟が低率であるが、新鮮排卵卵子から採取した卵丘細胞との共培養を行い、成熟促進に対する影響について調べた。その結果、人為的に卵丘細胞が剥離した新鮮卵子の成熟率は正常卵子に比べて若干低率であったが、過熟により卵胞卵子剥離した卵子で有意に低率であった。この過熟卵子を卵丘細胞と共培養を行った場合、その成熟率は単独培養に比較して有意に上昇した。
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