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2009 年度 実績報告書

電流検出型DNAチップによる実験動物病原体の病原遺伝子探索と定量検出系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20500381
研究機関帝京大学

研究代表者

後藤 一雄  帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (00205593)

キーワードDNAチップ / マウスノロウイルス / PCR
研究概要

これまで実験動物の病原体としてMycoplasma pulmonis, Mouse hepatits virus, Tyzzer菌およびヘリコバクター属菌の検出を電流検出型DNAチップで行いこれら病原体の検出感度および特異性が、従来法であるPCR法とほぼ同等であることを示した。今年度はあたらな病原体としてMurine Norovirus(MNV)に着目し、本ウイルスのDNAチップによる検出を目指した。本ウイルスは2003年に最初の報告がなされたが、本邦における実験用マウスでの汚染率や検査法の検証も行われていない。我々はDNAチップによる検出法の確立に先立って、本ウイルスの本邦での汚染状況、従来のウイルス検査法であるPCR法の有用性、および本ウイルス検査に用いる至適な検査材料の検討を感染実験により明らかにした。その結果、野外材料からランダムに検体を選択し、RNA polymerase遺伝子部分を増幅するRT-PCRでは1検体から増幅バンドが得られ、塩基配列解析からもMNVであることが確認された。本材料を感染材料とした感染実験では、感染マウスに同居させたICRおよびscidマウスともに56日まで糞便から核酸が検出された。また、同感染scidマウス由来胎児からは本ウイルスは検出されず、帝王切開によるウイルス除去が可能であることも明らかとなった。疫学調査の結果では59の実験動物施設中15施設(25.4%)、245のマウス盲腸検体のうち33検体13.5%)でMNV陽性を示した。このことからMNV診断にはマウス糞便が有用であること、およびMNV感染は本邦においても広くみられることが明らかとなり、DNAチップを用いた本ウイルス検出系の確立はこれまで検討してきた他の病原体と同様に有用であり、本法が利用価値のあるものになりうることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular detection of murine norovirus from experimentally and sponta neously infected mice.2009

    • 著者名/発表者名
      Goto, et., al.
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 58

      ページ: 135-140

    • 査読あり
  • [雑誌論文] First trial in the developmental phase of the "Performance evaluation program based on the ICLAS animal quality network program.2009

    • 著者名/発表者名
      Goto, et., al.
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 58

      ページ: 47-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マウスノロウイルスの状況と研究2009

    • 著者名/発表者名
      後藤一雄
    • 雑誌名

      LABIO 21(日本実験動物協会) 38

      ページ: 9-13

  • [学会発表] わが国の実験用マウスにおけるマウスノロウイルスの汚染状況2009

    • 著者名/発表者名
      後藤一雄
    • 学会等名
      第147回日本獣医学会学術集会シンポジウム
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター
    • 年月日
      2009-04-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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