事前に取得しておいた実験用突然変異マウス歩行データを4個体分ポストプロセスし、さらに異なった大きさの実験用マウス間で比較できるよう、移動距離の標準化を行った。多量のデータを一括して処理するためデータフォーマットを定め、統計処理及びグラフ表示を行うためのソフトウェアを開発した。これらのソフトウェアを用いて実際の歩行データを処理し、突然変異マウスと通常マウスの間の、歩行における特徴的な差異を検出した。この結果を日本神経科学学会で発表した。左右後肢の歩行データをポストプロセスし、後肢筋骨格モデルににマップすることを試みた。マウスの全身骨格モデル(ただし尻尾は除く)を、専用ソフトウェアを用いて実装した。関節定義は、解剖学的観点からヒトモデルに準じた。脊椎は数多くの自由度を持つため、そのまま実装したのではパラメータの数が多くなり過ぎる。モデルを扱いやすくするため、回転・移動にともなう代表的なパラメータの変化を、多数の脊椎(脊柱)間で分配できるようにした。胸郭は複雑な構造を持ち、数多くの部品で構成されている。肋骨、肋軟骨、胸骨の3つのグループに分け、扱いやすくした。筋肉モデルの開発に備え、共同研究者と今後の方針について詳細な協議を行った。骨格ポリゴンデータと関節定義情報を、筋肉モデルを開発するためのソフトウェアに読み込ませ、試験的に運動データかマップした。詳細な解析を行うための準備を開始した。
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