研究概要 |
1 骨における力学的刺激応答性シグナル発現の観察 (1)力学的刺激条件の確立 これまで力学的刺激応答性骨形成が生じることを確認した3点曲げ荷重負荷に加え,観察部位に直接荷重せずに骨形成反応を生じさせることの出来るマウス脛骨/腓骨軸圧縮負荷の実験システムをあらたに確立した. (2)力学的刺激応答性シグナルの観察 上記実験システムを用いて荷重負荷を行った骨を組織学的に観察した.力学的刺激によって骨芽細胞の構造タンパクであるアクチン重合の変化が認められ,ATPシグナルの関与が間接的に裏付けられた.また,Ex vivoの脛骨組織に荷重を負荷し,カルシウム蛍光指示薬を用いた骨組織のカルシウム放出現象を捉えることを試みた.骨膜において荷重負荷に応答してカルシウムシグナルが認められたが,この点についてはATPシグナルとの関連を含め,更に研究中である. 2 生体内ATPシグナル検出装置の設計と作製 ATP依存的ルシフェリン/ルシフェラーゼ反応により生成される560nmの発光を微弱発光係数装置の閉鎖チャンバー内で検出するシステムをin vitroで立ち上げた. ATP定量プログラムの精確性を向上させるため,ATP濃度と発光量の関係性についてさらにデータを収集中である.
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