1.正常域血糖クランプ法のdata収集 様々な程度のインスリン抵抗性を有する患者に正常域血糖クランプ法を施行し、1分毎のブドウ糖注入率と10分毎の血中インスリン濃度のdataを収集した。さらに、各症例の定常状態における平均ブドウ糖注入率と血中インスリン濃度より、M値を算出した。 2.インスリン作用と血糖値の関係を表すモデルより新たな指標の作成 これまでに解析したモデルを用いて、retrospectiveにこれまでのdataを解析、ブドウ糖注入率の経過をシミュレーションすることにより、two-compartment modelにおけるインスリン作用指数(α)がM値に変わる新たなインスリン抵抗性を表す指標となり得るかどうか検証した。 (1)120分間クランプした際のα(α(120))とM値の比較を行い、α(120)の有用性について検証した。その結果、α(120)とM値との問には、相関係数0.930と有意の相関を認めた。 (2)より短時間で信頼性の高いαを求めることが可能かどうか検討した。30分間クランプした際のα(30)と、60分間クランプした際のα(60)を算出し、それぞれα(120)及びM値との関係について検討した。その結果、α(30)及びα(60)とM値との相関係数は、それぞれ0.642及び0.873と有意の相関を認めた。 以上より、モデル解析から算出したインスリン作用指数な、M値と同様にインスリン抵抗性の指標として評価可能であり、クランプの時間を短縮でぎる可能性が示唆された。
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