研究概要 |
腫瘍に対する化学療法の効果を評価するには、概存のimaging modality(CT,MRI)を用いる方法では腫瘍の大きさを比較するしかなく、腫瘍内の細胞のviabilityを見極めることはできなかった。近年PET-CTの有用性が報告されているものの、利用可能な施設はわずかである。このため我々は腫瘍病変の効果判定を腫瘍のviabilityを見ることにより評価する方法を開発するために本研究を立案した。現在DsRed発現腹腔内腫瘍に化学療法を施行した後にLuciferase発現Cox2CRAdを感染させて観察することで、腫瘍のviabilityを病理切片を作ることなく評価できるシステムを開発している。 DsRed発現細胞株の樹立:胃癌細胞・皮膚癌細胞株にDsRed発現遺伝子を組み込むことでDsRed発現細胞を樹立した。(MKN-1,45,74,A431)Luciferase発現Cox2CRAdの樹立:Cox2CRAdで複製の際にluciferaseを発現するvectorを樹立した。これは腫瘍細胞のみで増殖して1uciferaseを発現するため、luciferaseの発光により腫瘍をマーキングすることが可能である。 Double imaging assay:DsRed発現細胞にLuciferase発現vectorを感染させて、細胞の様子をDsRedで、ウイルスの増殖を1uciferaseで経時的に観察した。 今後DsRed発現細胞でorthotopic model mouseを作成し、これに抗がん剤を実際に投与した後にvectorを投与して腫瘍のviabilityをluciferaseの発光で評価できるかと、これを病理組織像と照らし合わせて整合性があるかのデータを収集する予定である。
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