研究概要 |
1. Orthotopic model mouseの作成 ヒト膵癌細胞株(MIAPACA-2, Panc-1など)をヌードマウスに皮下注射して皮下腫瘍を作成したのちに、これを別のマウスを開腹してPancreas bedに移植してorthotopic model mouseの作成を行った。皮下腫瘍作成については特に困難はなかったものの、開腹による侵襲から術後2-3日で死亡するマウスが多かった。しかし、model mouseの作成回数とともに手技が安定してきたため、現在では作成成功率は50%ほどとなっている。当初orthotopic model mouseにGEMを尾静脈より静脈注射して治療を行っていたが、複数回の静注が手技的に困難で、また副作用による死亡例が散見されたので、現在では静注にくらべ副作用が少なく、治療効果も得られるので腹腔内投与により治療を行っている。実際のGEMの投与量と治療効果の相関について検討を行っているところである。治療後の腫瘍を病理学的に検討を行い、薬物・放射線治療の組織学的効果判定基準(胃癌取扱い規約に記載)に照らし合わせるとGrade 2-3にあたる腫瘍を数例に認めている。今後これらの抗腫瘍効果を認めている腫瘍と、Grade0-1の抗腫瘍効果がない腫瘍との見極めを我々が開発を進めている新規アデノウイルスで行い、その精度を検証していく予定である。 2.新規プロモーターを用いたImaging CRAdの作成 CXCR4プロモーターを搭載した新規アデノウイルスの開発をするために、アデノウイルスプラスミド・CXCR4プロモーターシャトルプラスミド・ルシフェラーゼ発現遺伝子を含むシャトルプラスミドを用いて、相同組換え法により新規ウイルスのプラスミドの作成を行っている。しかし条件設定などに難渋し、現在まで成功にいたっていない。
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