生理食塩水を作動流体に用い、膨張・収縮を繰り返す蠕動運動によって内径数mmの血管内の移動が可能な、微小移動機構の研究を行う。特に多数の体節を持った自走式のカテーテルとすることで、医療分野とくにカテーテルによる術式の自動化・高速化を目指す。このため、最終的には物動実験を含む、生体での動作駆動試験に繋がる多くの知見を得る事を目的とする。具体的には将来的に血管内を走行可能な移動機構の研究・開発を行なうにあたり、以下の9点を具体的な研究内容とする。 (1)2体節の管内移動機構の実験的な知見の集積 (2)曲管や垂直移動が可能で、微小化に適した移動機構の検討 (3)多数の体節をもつ血管内走行移動機構の開発 (4)走行方向の反転動作 (5)管内壁に凹凸などの障害物がある場合でも進行できる機構の検討 (6)管内移動機構の更なる小型化(毛細血管の細部まで進める機構などの検討) (7)管内移動機構の耐久性試験装置の開発・耐久試験の実施 (8)正確に動作させる水圧駆動装置の開発 (9)分岐路で任意の方向へ進むことのできる機構の検討 (10)動物実験のための各種調査および準備・用具開発 等を順次行ってゆく。
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