研究課題/領域番号 |
20500406
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小神 浩幸 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10463978)
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研究分担者 |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00169228)
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キーワード | 自家移植 / 硬組織再生 / 細胞・組織 / 凍結保存 / 再生医学 |
研究概要 |
歯槽骨再生治療で既に臨床応用されている培養骨膜について、その凍結保存法を検討している。 1 動物由来の培養骨膜によるin vitro評価系を確立する。 昨年度までの研究において、我々は近交系のラットから培養骨膜を調製し検討に用いていた。しかし、ラットの骨膜から調製できる培養骨膜は骨分化誘導因子に対する分化応答性に乏しく、厚さが薄くて脆弱でありヒト骨膜由来の培養骨膜と性状が異なっていた。 これらの問題に対処するため、ラット以外のニワトリやブタ、ウシといった動物の骨膜から培養骨膜を調製して比較した。その結果、ニワトリとブタの骨膜は細胞の遊走と増殖速度が遅く、形成される細胞シートも脆弱であるため検討対象から除外した。その一方でウシの骨膜に関しては良好な培養結果を得た。すなわち、ウシの培養骨膜は細胞の重層化が進んで比較的厚い細胞シートを形成し、分化応答性に関する再現性も安定していた。 2 硬組織形成能に関するin vivo評価系を確立する。 次にヌードマウスへの皮下移植を行い、in vivoにおける硬組織形成能について検証を進めた。その結果、ウシ培養骨膜は単独で移植した場合でも良好な硬組織形成が見られ、予めin vitroで分化誘導培養したものではさらに硬組織の形成が促進されていた。 3 足場複合型培養骨膜に対する凍結保存法の検討 上記の検討と同時進行させて、シート型の足場基材と培養細胞の複合型移植材料に関する凍結保存の妥当性を検証した。検証用の材料としてはePTFE製の多孔性3次元膜(商品名ベセル)上にラット骨髄由来の間葉系幹細胞を培養したものを用いた。この複合型細胞シートを液体窒素中で10日間凍結保存・解凍した後、3日間にわたり回復培養してラット皮下に移植したところ、病理組織標本中で良好な硬組織が観察された。これは凍結保存を経ずに移植したものと同等の結果であった。
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