我々は、シリカ微粒子の中に内包させた量子ドットとガドリニウム複合体からなる、複数のイメージング手法(常磁性体および蛍光)に対応したナノ粒子を合成した。その粒子の構造は、HRTEM、DLSおよびゼータ電位測定により測定された。またそのイメージングの特性は、蛍光顕微鏡とMRIにより確認された。その微粒子は、長い血中半減期を得るために、3タイプのPEG(分子量500、2000または5000)と接合させた。PEG-2000と結合させたプローブが、最も長い血中半減期(約70分)を示した。そのプローブは、大腸癌に特異性を持つB72.3抗体とも結合させた。蛍光共焦点顕微鏡を用いて、我々は抗体と結合させたナノ粒子が、培養された大腸癌細胞と特異的に結合し、通常のリンパ球とは非特異的には相互作用を示さないことを確認した。そのプローブは、平均循環時間テスト(MTT test)において、20-200pmol/wellの濃度インターバル(規格化された量子ドット濃度)で毒性を示さないことを発見した。また、200pmolの経静脈的単回投与では、マウスにおいて急性毒性を示さなかった。そのプローブの薬物動態がヌードマウス(bulb/c nude)において、IVIS生体内蛍光イメージングと高磁場7テスラMRI(マウス体幹用RFコイル使用)で計測された。抗体結合および抗体非結合のプローブが、主に肝臓を中心に集積することが観察された。
|