我々は、2つのマルチモーダル量子ドットプローブ(QD-probe)を動物実験におけるがんイメージングに適用し、蛍光イメージング(IVIS Imaging System、ジェノジェン社)と7テスラによる磁気共鳴画像(MRI)にて撮像した。次のような動物実験モデルを使用した。Nude mice(Balb6)にcolon-26 cancerを皮下移植した。腫瘍は、移植後5日で約2mmに、10日で約5-6mmに成長し、これらの両方について検討した。マウスは、1-1.5%のisofluraneにて持続的に麻酔され、蛍光イメージングおよびMRIが撮像された。シリカによりシールドされた量子ドットはcarbodiimide合成によりポリエチレングリコールとB72.3が結合され、マウスの尾静脈より、蛍光イメージングに対しては1.6nmol QD/kg、MRIに対しては、1umol QD/kg b.w.が投与された。投与直後、マウスは蛍光イメージングとMRIの両方でもう一度計測された。蛍光イメージングでは、colon26細胞株移植10日後となる腫瘍系5mmを可視化する事が出来た。信号雑音比は、腫瘍部で2.5倍だった。MRIでは、colon26細胞株移植5日後となる腫瘍系2mmの早期腫瘍を可視化する事が出来た。 本プローブは、まだ肝臓に多く集まるという問題点がある。その問題点を解決するためには、より大きな分子量のPEGを使うか、より長期間、PEG2000の欠損がないようにプローブの安定性を維持する条件を見出すことが必要と考えられた。
|