2年目は、1年目の続きとして、健常群、脊髄損傷・パーキンソン病モデル群(脊髄・大脳/脳幹病変による神経因性の過活動膀胱モデル)、膀胱炎モデル群(炎症性の過活動膀胱モデル)といった各モデル動物(ラット)に対して、下部尿路支配神経系の神経根(ラットではL6前後)に経皮的に低反応レベルレーザー照射を行い、以下に述べる多角的な評価を、照射の前後または有無による比較によって行い、過活動膀胱に対する低反応レベルレーザー照射療法の安全性(特に排尿機能以外への影響)について検討した。 安全性の評価としては、(1)照射部位の皮膚、皮下組織、筋、神経・神経根および骨盤内臓器の膀胱、尿道、卵巣、腸管の形態学的変化(線維化、変性など)の有無の観察、(2)行動監視システムによる性周期や生殖行動の変化の有無の観察を行った。 さらに上記にて安全性の確認が一応ではあるができたため、基礎研究の結果の報告論文を作成しているほか、臨床試験に移るべく、自主臨床試験の手続きを開始した。 また人での検討にあたり、過活動膀胱の主症状である尿意切迫感の他覚的評価システムとして、近赤外線分光分析法(near-infrared spectrocopy : NIRS)を利用するシステムを現在構築中である。プレリミナリーな検討では、評価可能な結果が得られている。
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