本年度は、基礎研究の成果の論文発表の準備に加え、ヒトでの検討を行う上で必要な倫理委員会(または治験(自主臨床試験)審査委員会)の承認を得るために、審査上で必要とされた項目を検討すべく、追加で基礎実験を行った。 また臨床研究を行うにあたり、過活動膀胱の主症状である尿意切迫感の他覚的評価が必要であると考えられた。しかし、従来の尿意切迫感の評価法はすべて主観的なものであり、不十分であったため、独自に近赤外線分光分析法(near-infrared spectroscopy:NIRS)を用いた排尿症状、特に尿意切迫感の評価システムを新たに考案した。その後、本システムの有用性を検討すべく、別の臨床研究を組み、排尿症状、特に尿意切迫感時の所見の収集および従来の尿意切迫感の評価法や排尿機能検査との比較を行った。本成果については、国内および海外の関係学会で報告を行ったほか、本システム自体のみで新規の発明となるため、特許申請を行った。本件に関しては、今後、使用している機器のメーカーほかいくつかの企業が興味を示していることから、システムの改良・発展において相談し、より完成したものを構築することを考えている。 さらに、以上の追加実験の結果と成果を加え、ヒトでの過活動膀胱に対する低反応レベルレーザー照射療法の安全性と有用性に関する探索的研究を初めに行うために、倫理委員会(または治験(自主臨床試験)審査委員会)の最終申請を行った。
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