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2010 年度 実績報告書

小動物においてストレスが心機能に及ぼす影響を評価するための超音波指標の応用開発

研究課題

研究課題/領域番号 20500419
研究機関大阪大学

研究代表者

石蔵 文信  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50303970)

研究分担者 浅沼 俊彦  大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (80379271)
キーワードストレス / 心機能 / 性差 / 超音波法 / 小動物
研究概要

近年、メンタルストレスが関連すると思われる疾患が増加しつつある。今回の研究では、同一個体でメンタルストレスが心臓に与える影響を超音波法にて評価する方法を確立するために、ラットにおけるストレスモデルを作成し、心機能の変化を観察した。方法は、雄ラットを用い、30分の不動負荷にて精神的ストレスを与え、高周波プローベを用いて、負荷前後の心機能を検討した。心機能評価に関しては不動負荷の直後にFractional Area Change法(FAC法)を用いて評価し、ストレスの影響を除去するために直ちに麻酔で意識をなくし、その後10分おきに同様の評価を行った。同時に血圧や心拍数なども検討した,その結果、負荷中に心拍数は増加し、心臓は過収縮を示したが、麻酔にて意識レベルを低下させたところ、麻酔後20分をピークに心機能(FAC)は一過性に著しく低下し、その後徐々に回復した。麻酔の影響を評価するために翌日に30分の不動負荷を行わずに、麻酔の影響を検討したところ、不動負荷直後のような一過性の心機能(FAC)低下は認めなかった。これにより、30分の不動負荷が心機能を一過性に低下することが確認でき、しかも超音波法でその経過を詳細に評価することが可能であった。この基礎データをもとに各種降圧剤を不動負荷前に投与して、心機能低下の予防効果を検討した。α遮断剤またはβ遮断剤のみでは十分な予防効果を認めなかったが、α・β遮断剤では予防効果があり、しかもαとβの比率によりその予防効果に差異が認められた。
さらにカルシウム拮抗剤(アゼルニジピン)でも同様の効果が認められた。また、雄では不動負荷にて著しい心機能の低下を認めたが、雌においては著明な低下を認めなかった。さらに卵巣摘出ラットでは雄と同様に不動負荷にて著しい心機能の低下を認めたことから女性ホルモン(エストロゲン)などが関与しているのではないかと推察した。これらの成果は各種学会で発表し、投稿準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 誌上ディベート テストステロンを使う?使わない?2010

    • 著者名/発表者名
      石蔵文信
    • 雑誌名

      アンチ・エイジング医学

      巻: 6 ページ: 66-69

  • [学会発表] 心拍数増加をもたらさないCa拮抗剤:アゼルニジピンのストレス誘発型心機能低下に対する予防効果2010

    • 著者名/発表者名
      高野友里, 西川理沙, 江川舞, 猪原萌, 石蔵文信
    • 学会等名
      第58回日本心臓病学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-09-17
  • [学会発表] Acute effects of beta-blocker with intrinsic sympathomimetic activity on stress induced cardiac dysfunction in a rat : Echocardiographic observation.2010

    • 著者名/発表者名
      Takano Y, Ishikura F, 他3名
    • 学会等名
      第20回欧州高血圧学会
    • 発表場所
      オスロ
    • 年月日
      2010-06-19
  • [学会発表] Azelnidipine, unique calcium channel antagonist could prevent stress induced cardiac dysfunction like alfa and beta blocker.2010

    • 著者名/発表者名
      Ishikura F, 他4名
    • 学会等名
      第20回欧州高血圧学会
    • 発表場所
      オスロ
    • 年月日
      2010-06-19
  • [学会発表] 心エコー図法によるストレス誘発型心機能低下に対するβブロッカーの予防効果検討:内因性交感神経刺激作用に関して2010

    • 著者名/発表者名
      高野友里, 石蔵文信, 他3名
    • 学会等名
      第21回日本心エコー図学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2010-05-13

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公開日: 2012-07-19  

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