研究課題
本研究では1)超音波診断法を用いて得られる心臓形態および心機能の指標から心臓年齢を導出する方法を開発すること、2)心臓年齢と血管年齢、筋年齢などの老化の指標との関係を明らかにすること、3)心臓年齢と老化促進因子と考えられる酸化ストレスとの関係を明らかにすること、4)食事療法や運動療法が心臓年齢指標に及ぼす影響について検討することを目的とする。高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームの患者を対象として、我々が提唱しようとする心臓年齢評価指標を計測し、健常者の心臓年齢標準曲線との自動照合を行い、心臓年齢評価を行っている。各心血管病リスクファクターと心臓年齢の関係を検討して心臓年齢に大きく関与する因子を明らかにするため、リスクファクターの重複が心臓年齢に及ぼす影響を検討し、心臓年0歳-100歳の健常者の心臓超音波検査から大動脈、左室形態の記録を行っている。心臓年齢の指標としては簡便に短時間で計測可能であることを条件にするため、左室肥大の指標(左室心筋重量)、S状中隔変形度、左室流入血流速度波形(拡張早期流入血流速度:E、心房収縮期血流速度:A、これらの比:E/A)などの通常の心臓超音波検査で計測する項目を重点的に行った。また、頚動脈エコー検査を併せて行い、頚動脈のintima-media thickness (IMT)、頚動脈プラークスコアなど動脈硬化の定量評価を行っている。さらに動脈硬度の指標として、stiffness parameter β、augmentation index (AI)、arterial compliancd (AC)、局所脈波速度(PWV)を超音波診断装置で計測し、同時に血圧・脈波計測装置(ブクダ電子社製)を用いて上腕-足首間の脈波速度を計測し動脈硬化度を計測している。以上の血管年齢の指標を心臓年齢と比較して、心血管系の老化における心臓と血管の関連性にっいてさらに検討する。
すべて 2008
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