研究課題
今年度、本研究において実施した実験内容、及び得られた主な結果は下記の通りである。1. チタンで被覆した無方向性磁性体針の試作昨年度、一定の厚みがあるチタン管で金属磁性体丸棒を被覆することで、高い発熱特性(ΔT)を保持したまま『形状磁気異方性』の効果を著しく低減できることを明らかにした。本年度は、これまでに得られた研究成果を踏まえて、生体適合性を有するチタン層で完全被覆した金属磁性体針を試作した。この試作品においては、穿刺方向と磁束方向との角度が0°、45°、及び90°のいずれの場合にも、ほぼ同一の高周波磁場中での発熱特性を示した。臨床現場で実用する際、腫瘍への刺入角度が著しく異なる場合でも均一な発熱特性が得られるため、厳密な温度制御が可能と考えられる。2. 臨床用装置の改良と高周波誘導加温実験体内挿入型の小型焼灼用装置について、重点的な改良作業を行った。この装置を用いた高周波誘導加温実験により、深部臓器癌である腎癌についても、低侵襲な治療が実現する可能性があることが分かった。動物実験においても、高周波磁場中での明確な焼灼効果が認められた。3. 磁性体針の発熱特性とシミュレーション解析深部臓器癌に高周波誘導焼灼法を適用する場合, 精密な温度制御技術のを確立するため、シミュレーションによる熱解析が不可欠である。昨年度に実施した各種の純金属、及び合金丸棒の発熱シミュレーションに加えて、チタンで被覆した金属磁性体針についても解析を行った。
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Proceedings of the 6th International Symposium on Electromagnetic Processing of Materials (Dresden, Germany, 2009, 10)
ページ: 193-196
ページ: 189-192