研究課題
我々が開発した「くも膜下出血」の危険度判定アルゴリズムの精度を高めるために、1)患者のMR画像から、大脳領域(白質、灰白質)、しわの領域、血管領域の正確な抽出2)しわの領域から、くも膜下出血の危険度算出手法の改良を行った。1)に関しては、下記の研究を行った。a)FCM (Fuzzy C-Means)法による自動領域分割法の改良と評価b)脳血管の抽出手法の調査FCM法は、従来使用していたk-means法に比べると、灰白質や白質の分離が正確であり、処理速度の点でも高速化が可能となった。2)に関しては、下記の研究・開発を行った。a)領域限定型リージョン・グローイング(Region Growing)法b)画素の統計情報を用いたヒストグラムベースの手法領域限定型リージョン・グローイング法およびヒストグラムベースの手法は、我々が開発している3次元画像可視化システムであるVolume Extractor Ver.3.0上に実装した。領域限定型のリージョン・グローイング法は、領域の輝度値の差に大きく影響を受け、使用時のパラメータ設定が難しく最適なパラメータ設定に時間を要した。また、ヒストグラムベース法は、実践的な方法であることが確認されたが、CT画像に比べると、十分な領域分離が困難であり、いくつかの問題点も明確になった。大脳、小脳、延髄、血管、脳神経、腫瘍、出血箇所などの効果的な3次元表示/造形手法では、以下の内容を開発し、その評価を行った。1)3Dプリンタを用いた実体モデルの作成とボリュームレンダリング表示との比較2)大脳、血管、脳神経などを「重要度」に応じて重層表示する方式3)神経線維の抽出手法の改良より効率的な表示方法のひとつとして、MR画像に疑似カラー(例えば、大脳は灰色、灰白質は薄茶、白質は白、血管は赤など)を与える方式を検討中である。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
画像処理学会論文誌 第38巻, 第1
ページ: 1037-1043
Journal of Fluid Science and Technology Vol. 3, No. 5
ページ: 678-689
画像電子学会論文誌 第37巻, 第4
ページ: 486-494
http://www.i-plants.jp/hp/