研究課題/領域番号 |
20500426
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
根武谷 吾 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (00276180)
|
研究分担者 |
相馬 一亥 北里大学, 医学部, 教授 (00112665)
今井 寛 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (00184804)
|
キーワード | 電気インピーダンス / 有限要素法 / 無侵襲計測 / 局所肺密度 / 局所換気量 / 三次元胸部FEMモデル / 肺血流 |
研究概要 |
1.健常被験者における肺血流画像の測定:健常被験者14名(男性10名、女性4名)に対してEITを測定し、肺血流画像(動画)を構築した。得られた血流画像は、40ms/枚の時間分解能を有し、心臓領域と左右の肺領域の合計3カ所に検出マスク(各9ピクセル)を設定し、心電図のR波を起点とした1回心拍出周期におけるインピーダンス変化を解析した。血液は他の臓器に比べてインピーダンスが小さいので、血液量とインピーダンス量はほぼ反比例の関係があると考えられた。解析の結果、心収縮開始から心臓領域のインピーダンスが徐々に増加し、同時に左右肺領域のそれが減少し、0.32s~0.36s後にピーク値を示した。この傾向は、呼吸の有無に関わらず、全ての被験者で同様に認められた。同様に、ICU、PICU患者各1名において肺血流画像が測定できたが、シンチグラフ等の血流分布を裏付ける検査が行えず、妥当性を検討できなかった。今後は、シンチグラフ等の肺血流分布が裏付けられた患者において評価を試みる。 2.導電性布電極を用いたウェアラブル測定ウェアの開発:本研究で開発する装置は換気・血流画像を非侵襲的に測定できるが、時々刻々と様々な医療処置が必要な集中治療室では、できるだけ簡単かつ短時間で電極脱着を行う必要がある。そこで導電性布電極と直径0.7mmのトライアキシャルケーブルを使用して、ウェア生地に電極が一体化した測定ウェアを試作した。この測定ウェアを用いて健常男性被験者6名の肺密度を求めたところ、従来の電極とケーブルを用いて得られた肺密度と有意差が認められなかった。試作した測定ウェアは、患者への利用の際に縫製上の問題があるため、今後はさらに改良して臨床で利用できる測定ウェアの開発を試みる。
|