研究課題
3つのプロジェクト下での研究を行っている。これらの研究には1.低張液下で膨張した細胞に対する超音波の影響、2.がん細胞、メラノーマ、正常メラノサイトの成長に対するvery low-intensity超音波の影響、3.メラノーマ細胞内へのインターフェロンβやインターフェロンγ遺伝子のsonotransfection効果、が含まれる。低張液を用いた実験では、殺細胞性は細胞の膨張と正の相関を示す(最大で2倍)ことがわかった。同様の細胞膜傷害が低張液下のHeLa細胞でもPI染色を用いて観察される可能性が示唆された。In vivoを想定した循環シミュレーションシステムでも低張液下で超音波による殺細胞性が増すという類似した結果が得られた。これらの結果から、軽度の低張性環境ではがん治療、特に白血病の超音波治療効果を増す可能性が示される。また、治療効果増強と細胞の膨張とが関連しているというデータから、低張下治療でのsonicationの適切なタイミングを確認する上で重要な結果が得られた。低侵襲性超音波の影響に関しては、in vitroでは両細胞株の成長は3日目で43.24%まで阻害されうることが示された。In vivoでは、2週目において治療群では2.6±1.8、非治療群では7.0±4.1の増大と腫瘍成長は著明に阻害されることがわかった。マウスの体重は非治療群で平均7.15%減ったのに対して、治療群では平均で3.7%のみの減少であった。腫瘍の成長は阻害し、腫瘍による体重減少が少なかったことから、この治療はマウスの全身的健康状態を改善したことが示唆される。インターフェロンγあるいはインターフェロンを併用したsonotransfectionも抗がん作用があることが示された。
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