研究課題/領域番号 |
20500437
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 修 東北大学, 病院, 講師 (00361072)
|
研究分担者 |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60282050)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
|
キーワード | リハビリテーション / 酸化ストレス / 循環器・高血圧 / 脂質 / 動物 |
研究概要 |
高血圧自然発症ラット(SHR)の血圧調節にはnitric oxide(NO)や酸化ストレスが関与している。高血圧自然発症ラット(SHR)の腎では、対照のWistar-Kyotoラット(WKY)に比べて酸化ストレスとnitric oxide合成酵素(NOS)発現が増強しているが、SHRの腎NOS発現増強の機序は明らかでない。酸化ストレスとNOS発現の関連を明らかにするため、NADPH oxidase阻害薬apocyninとsuperoxide dismutase(SOD)類似薬tempolによる腎NOS発現への影響を比較検討した。5週齢の雄SHRを対照群、tempol群、apocynin群の3群に分け、両治療群には飲水中にtempol(2 mmol/l)もしくはapocynin(2 mmol/l)を溶解し、8週間投与した。腎NADPH oxidase活性、血漿と尿中H_2O_2量を測定し、腎皮質と髄質における内皮型と神経型NOS(eNOS, nNOS)の蛋白発現をウェスタンブロット法で検討した。対照群に比べて、収縮期血圧は両治療群で有意に低下し、血漿クレアチニンはtempol群でのみ有意に低下した。腎NADPH oxidase活性は両治療群で低下したが、血漿と尿中H_2O_2量はapocynin群で減少した一方、tempol群では増加した。腎皮質と髄質におけるeNOSとnNOS発現はapocynin群で減弱した一方、tempol群では増強した。以上の結果から、酸化ストレス、特にH_2O_2がSHRの腎NOS発現を増強し、さらに糸球体濾過量も調節していると考えられ、長期的運動とtempolの併用療法の有効性が示唆された。
|