研究課題/領域番号 |
20500440
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山脇 正永 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (30302855)
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研究分担者 |
檀 一平太 産業食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 研究員 (20399380)
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キーワード | 嚥下障害 / 嚥下運動 / NIRS / 脳機能マッピング / 口腔感覚 / リハビリテーション / 誤嚥性肺炎 / リスク管理 |
研究概要 |
(1)テント下嚥下中枢とテント上嚥下中枢の関連性の解明 Functional Near Infrared Spectroscopy(fNIRS)を用いた検討では、1)随意性嚥下はテント上の運動中枢が活性化する点、不随意性嚥下では同じく感覚中枢が活性化する点が、2)温度刺激と触覚刺激によりテント下嚥下中枢が活性化されること、を確認した。本研究の成果は、高齢者の誤嚥防止、嚥下障害患者のリハビリテーションに応用が可能と考えられる。 (2)嚥下困難の脳内表象の解明 健常者及び嚥下困難者についてfNIRSを用いた検討で、「嚥下困難」の場合の脳活動パターンの検索を行った。その結果、嚥下困難時の脳活動パターンの特徴として、口腔顔面領域を含めた広範な活動が見られること、運動感覚野以外の領域も活性化されること、が明らかになった。本研究の成果として、嚥下困難についての全く新しい客観的な検査デバイス、嚥下食(嚥下困難時に食事形態を変化させてより食べやすくする)開発のための計測デバイス、の開発に直接結びつくことが可能で、医療機器、産業機器への応用が見込まれる。 (3)嚥下困難者への新たなリスクマネージメントへの応用 臨床的に嚥下困難者のリスクパターンを分析し、(1)(2)の結果と対応させることによりテーラーメイドのリハビリテーション手法、リスク管理手法、を開発した。この結果は医療機関、医療施設、在宅療養において、直接使用できるものであり社会的にも重要な知見であるため、本研究の成果物を出版した。
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