研究課題/領域番号 |
20500443
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三秋 泰一 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60251964)
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研究分担者 |
田中 正二 金沢大学, 保健学系, 助教 (70422657)
稲岡 プレイアデス千春 金沢大学, 保健学系, 助教 (90507386)
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キーワード | リハビリテーション / 脱神経筋 / リモデリング |
研究概要 |
末梢神経が切断されると、切断部以降の末梢神経軸策は変性壊死に陥り、支配下にあった組織は脱神経される。運動神経が切断されると支配下にあった骨格筋は脱神経筋となり、神経が再生されるまでに、アセチルコリンレセプター(AChR)の分散、増加、筋線維変性、筋線維萎縮など様々な変化を呈するが、医学的リハビリテーションにおいて、神経再生を促進し、さまざまな変性を防止することは重要である。肝細胞増殖因子(HGF)は筋衛星細胞の活性化や血管新生作用等を有していることから、脱神経後の様々な変性を予防し、機能回復を促進させる可能性が考えられる。そこで、前回までにラット下肢の脱神経筋におけるHGF、HGF receptor mRNA発現量について調査したところ、HGF mRNA発現量は脱神経1日後より増加し、その後さらに増加した。HGF receptor mRNA発現量は脱神経1日後より増加し、3日目がピークであった。そこで、今回、脱神経筋におけるHGF proteinおよび血中HGF proteinレベルについてELISA法を用いて調査した。その結果、1~7日にかけてどちらも有意な変化は認められなかった。これらの結果は、脱神経筋においてHGF receptorの発現に対してHGFの供給が不足している可能性が考えられた。脱神経筋に対する医学的リハビリテーションの介入によりHGF発現量を促進できれば、筋衛星細胞の活性化や血管新生に関連して脱神経筋の機能維持が可能となるかもしれない。今後、脱神経筋への介入方法として、電気刺激やストレッチング、その他の手法等を行い、臨床応用へ繋げる研究が期待される。
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