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2010 年度 実績報告書

関節拘縮における軟部組織の病理組織学的変化と理学療法学的治療の効果

研究課題

研究課題/領域番号 20500444
研究機関金沢大学

研究代表者

細 正博  金沢大学, 保健学系, 教授 (20219182)

キーワード間接拘縮 / 坐骨神経 / 関節可動域運動 / ラット
研究概要

【目的】これまでの研究により、ラット膝関節拘縮モデルにおける軟部組織の変化は、関節脂肪体および筋間脂肪織を含む広範な脂肪織の萎縮と線維化、関節包および神経周膜を含む線維性結合織の密性化と密着であり、これらの変化が軟部組織の柔軟性の低下を引き起こし、軟部組織性拘縮の主因となっていることを示してきた。そこで今回、これらのうち坐骨神経と神経周膜の「密着」が、関節可動域制限に対する理学療法学の標準的な手技である関節可動域運動(ROM-ex)により改善するかどうかを検討した。【方法】9週齢Wister系雄ラット12匹に対し、右膝関節をキルシュナー鋼線と長ねじを使用した創外固定を用いて膝関節屈120°で不動化した。うち治療群6匹は不動化翌日より麻酔下にてROM-exを行い, ROM-ex時以外の期間は不動化を維持した。ROM-exは膝関節屈曲位を5秒間保持し、次にバネばかりを使用して膝関節を約0.6Nで伸展し5秒間保持した。この運動を3分間連続して実施することを週に6回、2週間施行した。残りの6匹はコントロール群とした。実験期間終了後、坐骨神経周囲を光学顕微鏡にて観察した。なお、本実験は金沢大学動物実験委員会の承認を得て行った。【結果】治療群、コントロール群とも全例で坐骨神経内の各神経束は神経周膜と密着する傾向を示し、神経周囲腔の消失が観察された。また神経周膜には線維性の肥厚も両群全例で認められた。【考察】両群どもに神経周膜の肥厚と密着が観察され、これは先行研究と同様の結果であった。治療群に改善傾向が見られなかったが、ROM-exの頻度、期間、負荷量、運動肢位を含め、その有効性についてのさらなる検討が必要と思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Histopathological Changes of Joint Capsule after Joint Immobility Compared with Aging in Rats2010

    • 著者名/発表者名
      Watanabe M, Hoso M, et al
    • 雑誌名

      J.Phys.Ther.Sci.

      巻: 22 ページ: 69-77

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット拘縮モァルの自然治癒による可動域の変化と関節包の病理組織学的変化工第2報)-ギプス固定後24週間後と32週固後での比較-2010

    • 著者名/発表者名
      渡邊晶規, 細正博, 他
    • 学会等名
      第45回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      長良州国際会議場、県民文化ホール未来館(岐阜県)
    • 年月日
      2010-05-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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