本研究は、慢性呼吸器疾患患者における運動療法が免疫機能に与える影響を検証することを目的とした。免疫機能は、呼気凝縮液及び唾液中の分泌型免疫グロブリンA(SIgA)を解析した。その結果、気道におけるSIgA産生量が微量で、呼気凝縮液よりの試料分析は困難であった。また、慢性呼吸器疾患患者に対する運動療法を中心した入院期呼吸リハビリテーションは、運動能力の改善のための至適な運動強度であること、防衛体力の指標としての唾液中SIgAが一過性に低下しないことが明らかとなった。さらに、免疫調整機能としての抗酸化力も低下しないことが明らかとなり、免疫機能からみた有効な呼吸リハビリテーションの方法が解明された。
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