研究課題/領域番号 |
20500451
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
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研究分担者 |
緒方 敦子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40305123)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
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キーワード | 感覚障害 / 脳卒中 / 低周波 / 振動覚 / 体性感覚誘発電位 |
研究概要 |
感覚障害のリハビリテーションについて、効果的かつ、あまり負担をかけない方法を、健常人において検討した。低周波刺激は、不快を感じない程度の刺激強度で、手の手掌側、手背側を20分から30分間、週に4日刺激することとした。また、感覚弁別のトレーニングについては、器械を用いて、閾値程度の振動刺激のあるなしを弁別していく訓練を、1日20分程度、1週間に4目行うこととした。 感覚障害を有する脳卒中患者3名において、感覚の評価を、器械を用いた振動覚、温痛覚検査、フィラメントによる触覚検査、1mm刻みの二点弁別検査で行った。感覚閾値の変化があまりないことを確認してから、低周波刺激、または感覚弁別訓練を週4目、1-2ヶ月行った。発症後3ヵ月を過ぎた視床病変の1例において、低周波刺激を継続したところ、障害側の手指の振動覚が脱失から大きく改善した。体性感覚誘発電位における、感覚野からのN20電位は消失のままであった。一般に、脳卒中発症後3ヵ月を過ぎると機能的な改善は乏しくなるが、その時期であっても明らかな振動覚の改善が見られた。このことから、麻痺肢に大量の感覚入力を入れることで、感覚障害を改善させる可能性が示唆された。 今後、脳卒中患者において、感覚閾値の自然経過の観察とともに、多数例で低周波刺激、弁別訓練、また中枢神経刺激による介入を行い、感覚障害に対するリハビリテーションの方法を検討し、機能改善のメカニズムを解明する。
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