健常者の手根管を超音波エコー法で観察すると手指の動きに伴って正中神経が側方方向に滑動しているのが観察される。手根管の装具療法は手関節を安静にすることにより、腱滑膜炎の改善を図り、正中神経を除圧するものである。我々は特に正中神経を大きく滑動させる示指・中指については手関節とともに固定する方が治療の有効性も上がるのではないかと考えてきた。今回我々は手関節角度が示指・中指の動きに伴う正中神経の側方への滑動に及ぼす影響を検討した。手関節角度は示指・中指の動きに伴う正中神経の側方への滑動に大きく影響しないものであった。
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