研究課題/領域番号 |
20500459
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
吉野 賢一 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (90201029)
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研究分担者 |
河岸 重則 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20137334)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
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キーワード | 歯学 / リハビリテーション / 摂食嚥下障害 / 舌機能 / 近赤外光イメージング |
研究概要 |
本研究の目的は、視覚刺激を手がかりとした舌突出運動課題を行うシステム(視覚誘導性舌突出課題遂行システム)を構築し、舌機能の回復・向上およびその定量的評価を同時に行なうことができる摂食・嚥下訓練・評価法を開発することである。現在、開発中のシステムを健常者に用いて、1)時間的・空間的解析による舌運動機能の促進、2)舌感覚・認知機能および高次脳機能に及ぼす効果などのデータを収集している。平成21年度は、このシステムの遂行による脳賦活部位を、近赤外光イメージング装置(fNIRS)による前頭皮質領域の酸素化ヘモグロビン量を計測することにより調べた。被験者は九州歯科大学1、2年次生および65歳以上の高齢者とした。被験者がfNIRS測定中において遂行した課題およびコントロールは以下の通りである。[課題]1)眼前に置かれたモニターに点灯した白色の中央点を、被験者が10秒間注視した後、上下左右の方向の何れかに指示刺激が提示された。2)指示刺激は2秒後に消灯し、さらにその2秒後中央点を青色に変化させた。3)中央点の色が変化した後、被験者は指示刺激の提示された方向に舌を突出させた。4)舌突出後、中央点は白色に戻り、再び指示刺激が提示された。[コントロール]課題の3)において、中央点の変化後、被験者は指示刺激の提示された方向とは無関係に前方に舌を突出させた。課題およびコントロールにおいて、各シークエンスを30秒間、3回繰り返した。課題およびコントロール時の差分により、方向運択的な舌運動時における脳賦活について調べた。本システムに用いられる視覚誘導性舌突出課題遂行に、前頭前野を中心とした前頭皮質領域の関与が伺えたが、詳細な解析が必要である。
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