研究課題/領域番号 |
20500475
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30330583)
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研究分担者 |
青柳 陽一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30286661)
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
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キーワード | stage II transport / 摂食・嚥下障害 / viscosity / 皮膚筋炎・多発筋炎 / 咽頭収縮 |
研究概要 |
ヒトは食物を摂取する際、口腔内での咀嚼と咽頭への送り込みを同時に行っている。プロセスモデルとは、この摂食・嚥下に関連した一連の運動を示すモデルの事である。この時にみられる舌の送り込み運動はstage II transport(STII)と呼ばれている。しかしSTIIの運動学・生理学的な働きについては未だ不明な点が多い。また、臨床的には摂食時に咀嚼とともに食物が咽頭へ送り込まれること(すなわちSTIIが咀嚼とともに起こる事)が、誤嚥の一つの因子になっていることもよく経験される。このためSTIIという運動の解明は誤嚥の予防にも役立つ。我々は、STIIを起こす口腔内への刺激因子(STIIのトリガー)として、食物物性(食物のtexture)が関与しているという仮説を立てた。それを証明するべく、咀嚼前後での様々な食材の食物textureの変化を測定した。更には、咀嚼後に食物が咽頭を通過するのにかかる時間に関して嚥下造影検査を用いて調査した。その結果、咀嚼後にはどのような食物を摂取しても、無意識下では食物物性は特徴的な変化をすることが知られた。また、咽頭通過時間もほぼ一定になる事が知られた。ただ、今回研究に用いた食物に関しては、嚥下しやすいゼリー状のものが主体であり、今後は固形物や水分含有量の少ない物および咀嚼をしても性質を変える事が困難なものを含めて検討していく必要があると考えられた。多発筋炎や皮膚筋炎の患者の嚥下時の咽頭収縮力をNIHが作成したIMGEと呼ばれる、画像計測ソフトを用いて測定した。この結果から、これらの患者では、四肢筋力に相関して嚥下に関連する筋群の筋力低下も進むことが示唆された。
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