研究分担者 |
塩飽 邦憲 島根大学, 医学部, 教授 (10108384)
阪本 邦夫 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (80315655)
廣冨 哲也 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (70379692)
野村 収作 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 産学融合特任准教授 (80362911)
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研究概要 |
グループ回想法では,計画から実行,その後の評価の各段階で,実施する介護スタッフに多大な作業が課せられる。スタッフの経験及び知識不足を補い,また負荷を軽減するため,情報技術を活用したグループ回想法支援システムの開発に向け,本年度は以下の研究を実施した. ・ 多次元視聴覚情報提示手法を用い,参加者にとって臨場感が高く回想効果を改善するようなセッション環境の試作を行った。 ・ グループ回想セッションを記録管理するシステムを昨年度に引き続いて開発を進めた。そこに格納されるデータに対し,個人毎の発話区間を検出し,グループ回想法参加者の個人別の参加状況およびグループ内の相互関係を解析し,またその関係を可視化するシステムを開発した。これらの指標はグループ回想法の定性的な評価項目と強い相関があることを確認し,ケーススタディにより,司会者が可視化結果を確認しながら回想法セッションを進めることで,より良い介入が可能になることを示唆する結果を得た。 ・ 人間にとって,匂いは「好き・嫌い」や「快・不快」といった感情,過去の記憶の想起などに影響を与える重要な役割を担っていることが知られている。この現象は「プルースト効果」と呼ばれており,香り(嗅覚)によって過去の記憶を想起させることができるため,回想法において香りを記憶想起の一助とすることは有効であると考えられる。回想法の活動中に適応的な香りの提示ができるように,嗅覚ディスプレイの試作を行った。 ・ 作業負荷を客観的に評価するためのバイオマーカとして,唾液に含まれるCgA, IgAの有効性を検証し,作業負荷に由来する分泌変化が評価指標となり得ることを明らかにした。
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