研究課題/領域番号 |
20500483
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
徳田 哲男 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40073043)
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研究分担者 |
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20310625)
嶌末 憲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80325993)
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キーワード | 虚弱高齢者 / 爪切り操作 / 使いやすさ / 安全性 / 製品連鎖 / 自立継続 |
研究概要 |
自立継続に支障をきたしつつある年代層を対象に、昨年度実施した製品群の中から、爪切り製品を評価対象とすることで、製品連鎖の破綻につながり易い境界領域について検討することに主眼を置いた。対象は通所リハビリテーション参加者41名(男性11名、女性29名)とした。年齢は83.3±8.2歳(68~102歳)であった。介護度基準では要支援1から要介護4まで幅広い分布を示した 自立生活に関わる主要な動作及び爪切りに関する問診を終了後、8種類の爪切り(普及品小型、同大型、足用長柄、ルーペ付き、握力低下対応、固定台付き、生協指定中型、同ペンチ)について使用評価を実施した。製品評価は手、足の順に爪を模擬的に切ることで、使い勝手等を回答させた。 生活動作関連の各指標とも昨年のシルバー人材センター登録者に比較して有意な低下を認めた(t検定でp<0.01)。爪切りの操作は、要介護1あるいは2を塊に自力から介助へと移行した。一方、自立度の差により使用しやすい製品にも違いを認めたことから、製品側に利用者の身体機能に適応した幅広い選択肢が用意されることにより、要介護2以上であっても自立操作の継続は可能であることが示唆される。また、自立度の高い利用者がペンチ及び握力低下対応の評価が高かったことは、本人による爪切り操作の継続意欲が高いことを推察させる。 限られた爪切り製品による評価ではあったが、一定範囲の身体機能の低下であれば、製品側により自立支援を可能とする市販製品は用意されている。但し、自立意欲が強くとも要介護度の高い利用者、逆に要支援であっても自立意欲の低い利用者への製品提供となると、既存製品群の枠内にあっては製品連鎖の破綻へと直結する。
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