研究概要 |
1.一体型中敷きの試作と改良 発泡ゴムをシリコンゴムでコーティングしたゴム要素を中敷きとし,加速度センサ及び分布圧力センサを内蔵した生体計測用靴を試作した.具体的には,足裏部外力を測定する小型圧力分布センサを内蔵した中敷きを試作した.また,腰部に装着可能な計測用ボックスを製作した.この計測用ボックスには,加速度センサを内蔵しており,身体の振れを計測することが可能である.さらに,圧力センサ,圧力分布センサ及び加速度データをSDメモリに記録可能な回路の試作を行った.ここで,計測制御用基板を開発するために,平成20年度購入した組み込み用回路製作装置を用いて,AD変換機能を有するAVRをCPUとする回路を試作した.そして,歩行時における足部接触圧力をリアルタイムに計測できることを確認した. 2.試作中敷きを用いた歩行パターン計測 試作した生体計測用靴を用いて,速度調整可能な歩行機械により歩行動作の計測を行った.その結果,健常者の場合,歩行重心位置が踵部から小指部位,親指部位へ移動することを明らかにした.また,現有する3次元動作解析装置及びフォースプレートを用いて,一般歩行時における身体バランスの変化を明らかにした.そして,試作した生体計測靴による測定結果と比較した.その結果,重心移動軌跡がほぼ一致し,妥当性が証明された. 3.足裏部刺激に効果的な突起部を有する中敷きの検討 足裏部を刺激するのに最適な突起部を検討するための準備として,中敷き形状の検討を行った.その結果,傾斜部を有する構造の中敷きが足裏部に密着し,バランス調整に有効であることを示した.さらに,実歩行と理想歩行パターンの差を提示する足裏最適部位(踵部位,小指付け根部位,親指付け根部位)を明らかにした.
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