ピアニストとバイオリニストおよび非音楽家(一般人)計36名を対象に、左右の手指の長期的運動・感覚訓練がもたらす指の運動機能の独立性について個々の指の運動と等尺性(静的)筋力発揮実験を行った。一般人に比べて運動指に追従する他の指での運動の総和は、音楽訓練によって右手では示指、中指、環指で、左手では中指と小指で減少することが明らかとなった。また、他の指の運動から独立的に静止状態を保てる機能も長期のピアノとバイオリン経験によって向上することが明らかとなった。動的なテストでの結果の方が静的な力発揮テストよりも長期的楽器訓練による個々の指の機能差が顕著であった。ピアニストとバイオリニスト間では左右共に独立性機能に差が認められなかった。
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