本研究「中1ギャップの克服をめざして : 男女必修ダンスの指導法開発を促進する小中連携」では、平成20年度は、先行研究で明らかにしてきた気軽に踊れる「ダンス」教材に関する知見に基づき、横浜国立大学附属鎌倉小学校6年生と中学1年生の男女に本研究者が授業実践を行った。その結果、受講者の意識調査などから典型教材の有効性が実証された。特に、新学習指導要領で提示されている「表現運動・ダンス」における技能を明確に押さえた指導のあり方について、具体的な「ダンス指導方略モデル」の作成ができた。 また、「表現運動・ダンス」実践を積極的に行っている北九州市立花尾小・中学校での参観を通して、自己表現が豊かになされていることや、他者とのコミュニケーション能力が培われている様子がうかがえると共に、受講者の肯定的な意識の変容が見られた。ここでの指導者はダンスの初心者とも言え、「ダンス指導方略モデル」に基づけば、ダンス技能を押さえた指導の可能性が推察された。 平成21年度も引き続き、横浜国立大学附属鎌倉小・中学校、並びに北九州市立花尾小・中学校での研究協力を得て、小学校期のダンス経験が中学1年にあがってどのような影響を与えるのかについて継続研究が期待できる。
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