本年度は、研究3年目にあたり、昨年度までに行ったこれまでの自分の研究の総括と、これまでの教科体育の問題点の整理をさらに深めながら、特に「体育学習指導と人間関係」を意識したカリキュラム仮設のための準備作業を新規購入文献なども参考にしながら継続して進めた。 学習指導要領は各教科、特別活動、道徳、総合的な学習の時間などを柱で構成されているが、戦後8回目にもなる改訂のあり方の問題点を集約し、学習指導要領の性格や位置づけから、これからの社会にとって必要不可欠な能力養成の観点からの学習活動の構成についての改訂の必要性について検討した。また、そのことは、当然大学での教員養成教育のあり方にも同様なことが指摘されることであり、制度の枠内での可能性と限界について検討を加えた。 方法論としてのe-Learningについては、その具体的な運用に関わる技術開発は急速に進歩改良されてきてはいるが、具体的導入の試行や実践については、教員間、大学間での温度差は大きい。本来e-LearningそのものがICT社会の中でのユビキタスな生涯学習のあり方を模索するものである以上、基本的には個々の学生の能力興味関心に応じた学習への意欲そのものの問題と深く関わることになる。それ故、教室での一方的な講義形式の延長を意識した新しい手法の検討ばかりではなく、自主的から自発的に行われていく学習への意欲、動機づけという、本来の学習のあり方の根本的な観点からのe-Learningの可能性についての検討を行った。
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