研究概要 |
1.研究1として、澤江・齊藤(2008:筑波大学体育科学系紀要31,131-140)の研究をベースに、「アダプテッド・スポーツ教育への関心」について因子構造分析を行った。その結果、それらの関心構造は、「論理・研究」などと「実際のアダプテッド・スポーツ活動」など、「教育・支援方法」など、「アダプテッド・スポーツ活動のバックグランド」などに関する関心内容に分類された。それらの結果は、主にSawae(2008:Proceedings:The 10th International ASAPE Symposium Abstracts.116)などで公表した。 2.研究2として、「アダプテッド・スポーツ教育に関する関心」の時間的変化を測定するための測度を検討する試みを行っている。実際に、何がそれらの関心の高まりに影響するのか、アダプテッド・スポーツ活動の実践に参加している指導員や学生、保護者などを対象に、定期的に聞き取り等を行ったり、実際の活動内容記録をもとにメンバー間で話し合いを行っている。その結果〈これまでの障害児者との関わり経験の量と質〉(澤江,2008:日本体育学会第59回大会予稿集,271)や、〈障害に対するイメージ〉やく障害の知識体系〉(澤江・柄田,2009:日本発達心理学会第20回大会論文集,545)などの影響が仮説的に導き出された。これらの結果は、アダプテッド・スポーツ教育への関心を高める媒介変数うい導きだすうえで重要な役割を果たした。 3.研究3として、体育専攻学生と非体育専攻学生との比較研究を行った。その結果、体育専攻学生は、関心の高い自らが実践しているスポーツ活動を、広範的に対象を広げる過程(スポーツ対象の社会化)において、アダプテッド・スポーツ教育への関心を高める可能性があるのではないかと考えられた。この結果は現在、論文作成中であるが、アダプテッド・スポーツ活動への関心を高める個人内の内的要因が明らかになったことは、今後の研究の発展にとって意義がある。
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