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2010 年度 実績報告書

脳マルチモダリティ測定を用いてアスリートのための感情コントロール法を開発する

研究課題

研究課題/領域番号 20500536
研究機関東京工業大学

研究代表者

小谷 泰則  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (40240759)

研究分担者 石井 源信  東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (20108202)
キーワードイメージトレーニング / メンタルトレーニング / fMRI
研究概要

最終年度の平成22年度は本研究では、前年度までの研究から明らかにされた、「感情の意識化」と関与しているとされた右前部島皮質の活動に注目し、「情動の賦活(身体末梢)」→「右前部島皮質の賦活」→「感情の意識化」→「感情コントロール技法の実施」→「右前部島皮質の活動低下もしくは身体末梢の覚醒水準低下」→「知覚された感情の低下」→「感情のコントロール」というトレーニングの効果モデルを検証することを目的とした。さらに、これらのモデルを用いたバイオフィードバック・トレーニングの開発も試みた。
実験では、島皮質の賦活が見られることが確認されている、Delayed Feedback課題を用いて、自己のパフォーマンスに関する情報(フィードバック情報)が与えられるような状況を設定し、その剌激に対する情動反応について脳活動を測定した。さらに、各脳領域間の活動が上記モデルに当てはまるかfMRIのデータを用いてEffective Connectivityの検討を行った。その結果、島皮質から情動関連領域(ACCやOFC)への連絡、および注意システム(背側注意システム)への連絡が確認され、情動系の過度な賦活が、右前部島皮質を介して注意システムの崩壊をもたらしていることが示された。
さらに、これらのモデルを元に脳波を用いたバイオフィードバック・トレーニングシステムの開発も試みた。バイオフィードバックシステムでは島皮質の活動を捉えるために右前側頭部のβ波およびα波を捉え、そのパワー値を視覚的にフィードバックできるシステムを構築した。トレーニング効果には個人差があるものの、主観的な感情得点と脳波のパワー値の相関が見られ、島皮質の活動を反映すると思われる脳波を用いたバイオフィードバック・トレーニングシステムの有効性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 「運動とストレス」「これからの健康とスポーツの科学 第3版」2010

    • 著者名/発表者名
      小谷泰則
    • 雑誌名

      講談社サイエンティフィック

      ページ: 139-153

  • [学会発表] 右前部島皮質がつなぐ注意と情動の脳内ネットワーク2010

    • 著者名/発表者名
      小谷泰則
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会第37回大会
    • 発表場所
      福山大学(広島県)
    • 年月日
      20101119-20101121
  • [学会発表] 回転するバトンのキャッチングにおける手の反応タイミング2010

    • 著者名/発表者名
      高橋まどか
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会第37回大会
    • 発表場所
      福山大学(広島県)
    • 年月日
      20101119-20101121
  • [学会発表] Psycho-Physiological Interactions of the right Anterior Insular Cortex in Anticipation of Feedback2010

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Kotani
    • 学会等名
      16^<th> Annual Meeting of the Organization of Human Brain Mapping
    • 発表場所
      BARCELONA, SPAIN
    • 年月日
      20100606-20100610
  • [学会発表] Effective Connectivity of the Right Anterior Insular Cortex in Anticipation of Feedback Stimulus2010

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Kotani
    • 学会等名
      Society for Psychophysiological Research
    • 発表場所
      Portland, USA
    • 年月日
      2010-10-01
  • [学会発表] The contribution of the right insula and the right frontal operculum to the EEG potential reflecting emotional anticipation2010

    • 著者名/発表者名
      Yasunori Kotani
    • 学会等名
      Clinical Neurophysiology
    • 発表場所
      Kokura, Fukuoka, Japan
    • 年月日
      2010-05-31

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公開日: 2012-07-19  

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