研究概要 |
平成20年度は,以下の項目について研究を実施した. 1)機械系力学信号(振動)とヒト系生体信号(EMG)の同一ユニットによる同期計測システム構築 2)スキー実滑走時の振動に基づく模擬振動暴露シミュレータの基盤設計とシステムの再確認 3)スキー実滑走時の機械力学振動およびヒトEMGの同期計測と疲労の同定および滑走条件の違いによる振動パターンのデータベース化 1)では機械的力学信号である機械力学振動とヒト系生体信号であるEMGの固有周波数の違いを補正するための回路を製作,両者をA/D変換してPCに取り込んだ後,周波数解析等の解析処理を行う同期計測システムを構築した.また生体信号であるEMGは独自に開発したプログラムを併用し,積分筋電(iEMG)及び周波数解析を行い,平均周波数(Mean Power Frequency: MPF)の低下から疲労の同定を行うシステムとした. 2)ではスキー実滑走時の機械力学振動に基づく模擬振動暴露シミュレータ(以下,振動シミュレータ)の構築(基盤設計)を行い,トレッドミル(武井機器社製WELLROAD)と夏用スキーのグランジャー(ホンマ科学社製)を組み合わせ,トレッドミルのベルト回転に伴いグランジャーの16の溝を有するベクトル作動車輪が回転し,溝の段差によって発生する振動が被験者に暴露される機構の再確認を行った. 3)では,1)で構築したシステムを用いスキー実滑走中の機械力学振動およびヒトEMGの同期計測を行うとともに,スキー実滑走時の疲労の同定を行った.またデータの集積を行って2)振動シミュレータの暴露振動の多様化(スキー実滑走時振動に基づく)のためのデータベース構築を行った.
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