研究概要 |
平成21年度は,前年度に構築した1)同期システム,2)振動シミュレータを用い,さらにスキー実滑走実験を併用して以下の課題を中心に研究を進めた.1)ヒト系の疲労および感性(滑走時の心地よさ)といった要素とスキー板の機械的力学特性特に機械的振動との定量的関係の確立(総括的課題)スキー板の振動パターンがヒトにどのような影響を与えるかについては,疲労と感性(スキーの乗り心地)の両面からアプローチした.これらの結果は,後述する研究発表Parallel measurement of vibration and EMG in summer skiing.(The Impact of Technology on SportIII)およびスキー実滑走中の機械的力学振動およびヒトEMGの同時計測(バイオメカニズムシンポジウム2009)で,構築した筋疲労とスキー板の機械力学振動の相関性マトリックスについて発表した.振動シミュレータでは振動暴露中の同期システムを用い,EMGを計測,MPFより振動がヒトの疲労にどのような影響を及ぼすかを検討するとともに,感性へのアプローチとして,同期システムの心電アンプを介した振動暴露中の心電図を計測,その周波数解析から0.03~0.15[Hz]の周波数成分および0.15~0.4[Hz]の周波数成分から自律神経系の動態を評価することで振動暴露時の感性(滑走時の心地よさ)の間接的評価を試みた.また同期システムの呼吸アンプ(現有)およびサーミスタ(デジテック製AP-CO21)を介して得られる呼吸曲線の周波数解析からも同様の評価を試みた.平成21年度は,これらの総合的な計測システムを構築するとともに,現在結果の解析を進めている.
|