バックプレート付きスタート台が競泳のスタート動作に及ぼす影響について検討した。 北京オリンピック後、競泳のスタート台の後方に陸上競技のスターティングブロックのようなバックプレートを付けることが国際水連によって認められた。先進的なスタートスキルを提案する一貫として、バックプレート付きスタート台が、スタート動作に及ぼす影響を検討することを目的とした。大学男子競泳選手10名を対象とし、傾斜角10度の従来型のスタート台およびバックプレートを設置したスタート台からトラックスタートを試技条件とした。スタート動作をビデオ撮影し、身体各部の座標を2次元DLT法にて取得し、主に台上の動作について比較検討した。 その結果、バックプレート条件で、ブロック時間は10人中7名に約0.2秒の短縮が認められた。離台時の重心速度ベクトルの大きさには明らかな差は見られなかったが、鉛直方向成分は、-0.872m/sから-0.683m/sと有意に下向きの運動が抑制された(p<0.05)。したがって、バックプレート付きスタート台は、競泳のスタート動作における離台方向を水平方向に近づける作用を持つと推察される。
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