研究概要 |
本年度は,平成20年度に実施された研究課題A(マネジリアル・マーケティング研究)に基づいて,研究課題B(インタラクティブ・マーケティング研究)及び研究課題C(アフターマーケティング研究)に着手した。具体的には,民間スポーツ・フィットネスクラブ会員(クラブ会員)によるサービス・クオリティ評価や顧客満足・不満足評価を実施し,クラブ会員がどのような場面(サービス・エンカウンター)で顧客不満足を感じ,顧客苦情行動を起こしているのかを吟味するとともに,民間クラブ側のサービス・リカバリーや顧客苦情マネジメントについて検討した。 そのため,前年度に実施したクラブ会員調査データ(配票総数931;有効回収標本数及び回収率871,93.6%)と本年度に実施した支配人インタビュー調査から得られたデータを分析した結果,以下のようなことが明確にされた: (1) 民間クラブのサービス・クオリティ(SQ)評価因子として,「共感性」「親近性」「保証性」「可視性」「応答性」「適格性」「立地性」といった7つの因子が抽出され,中でも,可視性,適格性,応答性,共感性といった4つのSQ評価因子が顧客不満足に大きな影響を及ぼしているということが明確にされた。 (2) クラブ会員はこうしたSQ評価や顧客不満足を「スタジオ・ジム・プール」(56.6%)という,民間クラブのコア・プロダクトが提供されるサービス・エンカウンターにおいて認知しており,「シャワー室」(22.2%)や「ロッカールーム」(19.2%)という周辺的サービス提供場面がそれに続いていた。また,クラブ会員の43.3%は顕在的苦情行動を起こしているのに対して,56.7%は潜在的苦情行動を選択していることも明確にされた。 (3) 民間クラブ側のサービス・リカバリーのあり方について,クラブ会員の56.1%は低い評価をしているのに対して,クラブ会員の43.9%は高い評価をしていることが明確にされた。
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