研究課題/領域番号 |
20500553
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
田中 孝夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (60274867)
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研究分担者 |
荻田 太 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50224134)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 准教授 (40253926)
齊藤 和人 鹿屋体育大学, 保健管理センター, 教授 (50170494)
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キーワード | 国際競技力 / 一流競泳選手 / 重要因子 / 生理的指標 / 力学的指標 |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は一流競泳選手の生理学的および力学的指標を定量し、それらと各距離種目の泳成績との関連性について明らかにすることであった。 【方法】被検者はインカレ優勝校に属する女子競泳選手14名であり、うち6名はオリンピックを含む国際大会出場経験のある選手であった。本実験では、生理学的指標として最大酸素摂取量、最大血中乳酸濃度、V@OBLAが、力学的指標としては抵抗係数、指数、最大推進パワー、推進効率が計測された。これらの測定値と50m、100m、200m、400mの泳成績との関係を検討した。 【結果及び考察】生理学的指標の中で最大酸素摂取量や最大血中乳酸濃度については泳記録との間に有意な相関関係は認められず、V@OBLAのみ200m、400mと正の相関が認められた。しかしながら、これは乳酸除去能力の差異に起因しているというよりは、泳技術を反映したスイミングエコノミーの差異に起因していると考えられた。一方、力学的指標との関係を見ると、最大推進パワーと50m、100mとの間に正の相関が、さらに抵抗係数と50mとの間に正の相関、400mとの間に負の相関が認められた。また、推進効率については、短距離選手よりも長距離選手において高い傾向が認められた。以上のことより、高いパフォーマンスを求めるためには、エネルギー供給能力が高いことに越したことはないが、一流選手の泳成績には必ずしもエネルギー供給能力が関係しているわけではなく、短距離種目ではより大きな推進パワーを発揮するための大きな体格が、長距離種目では低い乳酸蓄積と、抵抗係数を小さくし、高い推進効率を産み出す泳技術がより重要な要因となることが示唆された。
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