研究概要 |
平成20年度は肩・肘、胸郭上肢関節、股関節の関節包と靭帯の伸張率、関節可動域および関節面の圧力を計測する解析システムの開発をおこなった。靭帯・関節包の伸び率計測と関節内圧計測を同期させるためにDisplacement censor(Pulse Coder, LEVEX,Kyoto)、Microminiature DVRT(MicroStrain, USA)とフイルム状圧センサ(Economical Load and Force, Nitta CO, Nara)および小型圧カセンサ(PS-3KC共和電業東京)を組み合わせて可動させるシステムを構築した。これらの計測と同時にそれぞれの関節ROMを3次元磁気動作解析装置(3Space,Vermont)で計測し、伸び率計測と関節内圧計測を平行して実施した。その結果、靭帯や関節包に損傷を加えない関節軟骨に優しい肩関節のストレッチ法、肘関節のストレッチ法、股関節のストレッチ法による靭帯・関節包伸張効果を定量化することが可能となり、肩関節で2編、肘関節で1編、股関節で1編の英語論文として報告し、用いた標本をもとにモーション解剖アトラス上肢・体幹を上梓した。平成21年度は、この計測システムを用いて、指PIP関節、指MP関節、母指CM関節、手関節、肩鎖関節、脊椎椎間関節の靭帯・関節包伸び率と関節内圧計測を実施する。
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