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2010 年度 実績報告書

生徒一人一人がやる気を高める学習指導のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20500566
研究機関天理大学

研究代表者

深見 英一郎  天理大学, 体育学部, 准教授 (10351868)

研究分担者 岡澤 祥訓  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40110978)
キーワード授業研究 / 体育授業 / 学習指導
研究概要

運動の苦手な学習者は、体育授業中自ら進んで運動に取り組まない。それは、それまで運動の成功体験やそれにより周りから認められた経験がほとんどなく、むしろミスや失敗をしたことで仲間にからかわれたり叱責されたりした体験が少なくないからである。この傾向は学年が上になるほど深刻になる。他方で、体育教師はそのような生徒たちに対する指導方法に日々思い悩んでいる。本研究では、運動の苦手な生徒に焦点づけた効果的な指導方法について検討した。運動の苦手な生徒に対して教師が積極的に関わり適切に指導できるようになれば、彼らはしだいに運動に取り組めるようになり技能成果の向上が期待できるからである。
本研究では、高校の体育授業を対象に苦手意識をもつ生徒が多い器械運動の授業に着目して、どのような準備と授業中の働きかけを行えば、すべての生徒が技の習得に積極的に挑戦し楽しむことができるかを明らかにしようとした。具体的には、先行研究の結果から導かれた優れた器械運動の授業づくりに着目して、(1)多様な場の設定、(2)評価基準を明確にした学習ノート、(3)教師の教授行為という3視点から授業実践に取り組んだ。その結果、基礎的・基本的な技の習得をめざした場の工夫や、生徒の幅広い運動技能や関心に対応した多様な場を設定することによって生徒は能力レベルに応じて技能成果を達成することができた。また、毎時間すべての生徒に技の習得に繋がる予備的運動に取り組ませた結果、基本技はもちろん難しい技にも挑戦し習得できる者もみられた。また技の評価基準や動作課題を明示した学習ノートや掲示物を活用した結果、生徒たちはお互いに技術的なアドバイスを行い積極的に学習することができた。さらに一人ひとりの生徒の記述内容に対して教師は丁寧にコメントを書いて返却した結果、教師と生徒の理解が深まり積極的な関わりがうまれ肯定的な授業の雰囲気に繋がっていた。
これらの結果から、生涯スポーツの基盤づくりの最終段階である中学校・高等学校における運動の苦手な生徒たちを中心に、運動に対する動機づけの観点から彼らが運動に熱心に取り組み、仲間とともに運動することのすばらしさを体験できるような、効果的な体育授業の進め方を明らかにすることができたと考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 教師の言語活動による「継続的フィードバック」が技能成果、運動有能感に及ぼす影響に関する研究-走り幅跳びの授業実践を通して-2011

    • 著者名/発表者名
      上江洲隆裕、岡澤祥訓、木谷博記
    • 雑誌名

      教育実践総合センター研究紀要

      巻: 20号 ページ: 159-166

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高等学校における効果的な器械運動の授業づくりに関する事例的研究2010

    • 著者名/発表者名
      深見英一郎、元塚敏彦、上江洲隆裕、岡澤祥訓
    • 雑誌名

      体育科教育学研究

      巻: 26巻2号 ページ: 27-39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「学習内容」と「楽しさ」はどう違うのか?2010

    • 著者名/発表者名
      深見英一郎
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 58巻8号 ページ: 38-39

  • [学会発表] 体育授業と他教科授業における教師の相互作用行動の比較研究2010

    • 著者名/発表者名
      深見英一郎、田中祐一郎、上江洲隆裕
    • 学会等名
      日本体育学会 第61回大会
    • 発表場所
      中京大学豊田キャンパス
    • 年月日
      2010-09-10

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公開日: 2012-07-19  

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